20/04/23:第44回世界遺産委員会の延期が決定 - ART+LOGIC=TRAVEL [旅を考えるweb]

世界遺産NEWS 20/04/23:第44回世界遺産委員会の延期が決定

今年2020年6月29日~7月9日の日程で中国の福州にて開催予定だった第44回世界遺産委員会ですが、UNESCO(ユネスコ=国際連合教育科学文化機関)は新型コロナウイルスの拡大を受けて開催の延期を決定しました。

新しい日程は未定です。

 

※2020年11月3日追記

 第44回世界遺産委員会は1年ずらして2021年6~7月に中国・福州で開催されることに決まりました。

 詳細は下記の記事を参照ください。

 

世界遺産NEWS 20/11/05:第44回世界遺産委員会、2021年6~7月開催へ

 

* * *

中国・福州の閩江と倉前山
中国・福州の閩江と倉前山

UNESCOの公式サイトにアップされているアナウンスを抜粋しましょう。

 

"In light of recent developments in the world related to pandemic COVID-19, it was decided that the 44th session of the World Heritage Committee, initially scheduled for 29 June - 9 July 2020 will be postponed to a later date. Consultations are currently under way to determine the exact dates of the session.

Further information will be provided as soon as possible. Many thanks for your understanding."

 

世界遺産委員会の延期は極めて異例です。

最近では2011年にバーレーンのマナマで開催予定だった第35回世界遺産委員会がバーレーン騒動で開催が危惧されましたが、会場をフランス・パリのUNESCO本部に移して行われました。

今回は福州のみならずパリもロック・ダウン(都市封鎖)されており、また多くの国際線が停止している状況での決定となりました。

 

日本は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」を推薦していましたが、こちらの審議も遅れることになります。

その前に毎年GW前後に文化遺産はICOMOS(イコモス=国際記念物遺跡会議)、自然遺産はIUCN(国際自然保護連合)、複合遺産は両組織が4段階の勧告(登録・情報照会・登録延期・不登録)を出していますが、こちらにどのような影響を及ぼすのかも未知数です。

 

また、日本は2021年の世界遺産委員会に「北海道・北東北の縄文遺跡群」を推薦していますが、ICOMOSやIUCNの現地調査に影響を与える可能性もあり、やはり影響が懸念されます。

 

新型コロナウイルスは世界遺産委員会だけでなくさまざまな国際会議に影響を与えています。

UNESCO遺産事業関係では、新たなユネスコ世界ジオパークが決まる予定だった4月3~17日のUNESCO執行委員会が延期。

さらにユネスコエコパーク(生物圏保存地域)についても今月ナイジェリアのアブジャで開催予定だった第31回MAB-ICC(人間と生物圏-国際調整理事会)も下半期への延期が決定しています。

 

状況が状況ですから当然ですが、一刻も早い収束を願います。

 

 

[関連記事]

世界遺産NEWS 20/11/05:第44回世界遺産委員会、2021年6~7月開催へ(続報)

世界遺産NEWS 21/06/07:2021年の世界遺産候補地と勧告結果(続々報)

世界遺産NEWS 21/07/29:速報! 2021年新登録の世界遺産!!(結果)

世界遺産NEWS 19/05/24:2020年の世界遺産候補地

 


トップに戻る パソコン版で表示