ブラジル南東部の大西洋沿岸で豪雨が続いており、洪水や地滑りが多発しています。
世界遺産「歴史都市オウロ・プレート」でも被害が出ており、地滑りによって歴史的な建造物が破壊されています。
■Deslizamento destrói casarão histórico em Ouro Preto(globo.com)
今回はこのニュースをお伝えします。
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昨年11月頃からブラジル南東部の大西洋沿岸、バイア州やミナス・ジェライス州、リオデジャネイロ州などで豪雨が続いており、洪水や鉄砲水・地滑りで多くの被害を出しています。
特にバイア州では12月下旬に複数のダムが決壊して数万人が家を失うなど、州知事が「州史上最大の天災」という災厄に見舞われています。
ミナス・ジェライス州のオウロ・プレートでも12月26日頃から断続的に豪雨に見舞われており、市内各地で地滑りが起きています。
1月7日には築300年になる歴史的建造物が倒壊した他、これまでに25人の犠牲者を出しています。
そして1月13日の午前9時10分頃、モーロ・ダ・フォルサ(フォルサの丘)と呼ばれる小山が崩れ、住宅2棟と小屋が倒壊しました。
特に2階建ての建物は1890年にネオ・コロニアル様式で建てられた登録有形文化財でした。
これらの住宅は2012年に起きた地滑りで閉鎖されており、また8時30分頃に消防署が危険を察知して避難を勧告していたため、人的被害はありませんでした。
ただ、今週も豪雨が続いており、丘が多い町で危険な崖も多いため、市は市民に注意を呼び掛けています。
オウロ・プレートでは2018年に豪雨や土砂崩れの危険を知らせる「デフェーザ・シヴィル」と呼ばれるアプリを開発しています。
最新版ではリアルタイムで危険を知らせるだけでなく、住民が最新の情報や写真・動画をアップすることもできるため、事故を防止するツールとして使用を呼び掛けています。
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