周囲100km圏に2,500万の人口と9件の世界遺産を擁するメキシコのポポカテペトル山。
標高5,426mを誇るメキシコの第2峰で、周辺人口の多さから世界一危険な火山のひとつといわれています。
今世紀に入ってから活発化しており、この6月には噴火が相次いで噴煙は上空11.3kmに達し、世界遺産「プエブラ歴史地区」にも噴石が降り注ぎました。
今回はこのニュースをお伝えします。
* * *
上の動画はいずれも6月17日前後の噴火を捉えた動画ですが、その激しさがわかります。
この時の噴煙は上空8.5kmに及び、周辺には噴石が降り注ぎ、火山灰が舞い降りました。
こうした噴火は6月に入って特に活発化しており、大きなものだけでも噴煙が11.3kmに達した3日の噴火をはじめ、13~14日、17~18日、21~24日と相次いでいます。
ポポカテペトル山の北西には人口2,100万を誇るメキシコシティ首都圏があり(市の人口は900万人)、東40kmには人口150万のプエブラがひかえています。
これらの都市では火山性の地震が続いており、火山灰を避けるようにマスクやゴーグルの着用が勧告されています。
実はポポカテペトル山の周辺には世界遺産が集中しており、100km圏内に以下9件の世界遺産を擁しています。
風向きから火山灰は主に山の東のプエブラ方面、土石流は山の南の修道院群の方面に向かっているようですが、火山から半径12km以内への立ち入りが禁止されており、いまのところ被害は報告されていません。
プエブラ歴史地区には噴石が降り注いでいるようですが、大きさはほとんどが砂利や砂レベルで被害はないようですが、今後の火山と地震の活動が心配されています。
[関連記事]
※各記事にさらに過去の関連記事にリンクあり
世界遺産NEWS 18/06/25:ガラパゴス諸島のクンブレ火山が噴火
世界遺産NEWS 18/05/10:ハワイ・キラウエア火山の噴火で被害広がる