世界遺産NEWS 16/08/04:ブリュッセルのフラワーカーペット、テーマは日本!
ヴィクトル・ユゴーが「世界でいちばん豪華な広場」と称え、ジャン・コクトーが「絢爛たる劇場」と絶賛したベルギーの世界遺産「ブリュッセルのグランプラス」。
グランプラスでは2年に一度、「ブリュッセル・フラワーカーペット」が開催されています。
ただでさえ世界一美しいと言われる広場がベゴニアの生花とその香りで満たされるのです!
下の動画は前回2014年の様子です。
テーマは「トルコ(トルコ移民50周年記念)」。
まさにトルコ絨毯ですが、美しいですね!
そして第20回を迎える2016年は8月12日~15日の開催で、テーマはなんと「日本」!
1866年に日白修好通商条約を締結して外交関係を樹立してから150周年を記念しての開催となります。
日本・ベルギー友好150周年の日本側名誉総裁は天皇陛下で、ベルギー側はフィリップ国王です。
実は天皇家とベルギー王家の付き合いは非常に長く、たとえば第一次世界大戦で焦土と化したベルギーを昭和天皇(当時、皇太子)が弔問・慰問して大歓迎されていたり、関東大震災の際にはベルギー王家が力を尽くして義援金を含むさまざまな支援を行っています。
こうして迎えた日本・ベルギー友好150周年ですが、その目玉イベントのひとつがブリュッセル・フラワーカーペットです。
気になるフラワーカーペットのデザインがこちら!

日本人がフラワーカーペットをデザインするのはもちろん史上初。
担当したのは株式会社乃村工藝社のデザイナー鈴木不二絵さんです(詳細は下のリンク、プレスリリース参照)。
鈴木さんはこのデザインに込めた思いを次ように語っています。
「『花鳥風月』 とは、 作品の中に美しい動植物や美しい風景など、 自然に存在する美しいものたちを表現し、 またそれらを愛し、 重んじることを意味しています。 このデザインで描いた、ベルギーと日本で共通する『美しい自然』『美しい風景』を通して、ベルギーと日本の国交 150 周年のさらなる深い友好的なつながりと、今後の両国のよき未来を願い、今回のために描き下ろししました」
日白修好通商条約が結ばれた19世紀後半、ヨーロッパでジャポニスム(日本趣味)が大ブームとなり、ゴッホやモネをはじめ多くの芸術家たちが浮世絵をはじめとする日本的なデザインに多大な影響を受けました。
一方、明治政府はベルギーをはじめとする欧米各国に使節を派遣してその進んだ文明の習得に努め、その結果、欧米以外で初となる産業革命を成功させます。
美しいだけでなく、両国のそんな歴史や温故知新的な思想さえも感じられる作品ですね。
フラワーカーペットの大きさは75×24mで、1,800平方メートルに及びます。
8月12日の午前中、100人を超えるボランティアが60万以上のベゴニアを使って「花鳥風月」のフラワーカーペットを一気に仕上げます。
同日夜には開会式が行われ、フラワーカーペットを舞台とした音と光のショーやプッチーニのオペラ「蝶々夫人」なども披露される予定です。
上にあげた動画でも2014年の音と光のショーの様子が映っていますが、これ、見たいですよね-。
この時期に現地を訪れる人が本当にうらやましい。
日本でも報道されると思いますのでぜひ注目してみてください!(下に動画アップしました)
■第20 回「ブリュッセル・フラワーカーペット」開催概要
日程:2016年8月12日~15日
時間:8月12日=午後1時~午後6時、8月13~15日=午前10時~午後10時(いずれも現地時間)
場所:ブリュッセルのグランプラス
公式サイト:Flower Carpet | Anniversary: 20th Flower Carpet!(英語/オランダ語/フランス語)
[関連サイト]
フラワーカーペット「花鳥風月」のプレスリリース(株式会社乃村工藝社)
株式会社乃村工藝社(公式サイト)
ブリュッセルのグランプラス/ベルギー(All About 世界遺産)
※追記
2016年の動画が公開されていたので紹介しましょう!
日本してますね-、スゴイ!!