世界遺産NEWS 15/12/26:バチカン・ベツレヘムでクリスマス・ミサ開催

12月24日はクリスマス・イブ、25日はクリスマスでしたね。

私はいまタイの山の中にいるのであまりクリスマス気分はありませんでしたが、チキンを食べて地酒を飲むくらいはしておりました。

 

カトリックの総本山サン・ピエトロ大聖堂でもクリスマス・イブにミサが行われました。

その様子がこちらです。

サン・ピエトロ大聖堂はバチカンの世界遺産「バチカン市国」の構成資産であるわけですが、ここ、本当に荘厳です。

建物の大きさと芸術性がケタ外れであるだけでなく、ミケランジェロやベルニーニらの芸術作品で埋め尽くされており、さらに信者や司祭たちの作り出す空気によって他にはない神々しさが醸し出されています。

私の友人はこの大聖堂を見て「神はいる!」と叫んだようですが、さもありなんという光景です。

 

クリスマスは降誕(誕生)祭と訳されているように、イエス・キリストの降誕を祝うお祭りです。

当然ながらその本場はイエスが生まれたとされるベツレヘムの聖誕教会です。

こちらは「イエス生誕の地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼路」としてパレスチナの世界遺産に登録されています。

 

↓はベツレヘムのクリスマスの様子です。

近郊のエルサレムでは23日にユダヤ人が刺殺される事件が起きており、相変わらずイスラエル(ユダヤ人)とパレスチナの争いが散発しています。

この動画にも登場している聖誕教会は、イエスの母マリアが急に産気づき、近くにあった羊小屋で出産したというその地に建てられた教会です。

でも、実はマリアが本当にここで産んだのか、それが何年の何月何日だったのかはハッキリしていません。

 

『新訳聖書』はイエスの弟子たちによって書かれた福音書の集合体なのですが、マタイやルカの福音書にはベツレヘムで生まれたことが記されています。

しかしながら「ベツレヘムで生まれた者の中から救世主(キリスト)が生まれる」というユダヤ教の伝説に合わせて創作された可能性も指摘されています。

ヨハネをはじめさまざまな福音書でイエスを「ナザレのイエス」と表記している一方で、聖誕の物語以外にはベツレヘムの出身であることを示す言葉はありません。

もっとも、イエスはナザレやナザレの北に広がるガリラヤ湖を拠点として活動をはじめるので、生まれた場所がベツレヘムでも構わないのかもしれません。

 

誕生年については、西暦はイエスが生まれた年を元年とする紀年法を用いているように、西暦元年(西暦1年。0年は存在しません)=イエスの誕生年とされていました。

これはイエスが30歳であるときの様子を描いたルカの福音書にローマ皇帝ティベリウスの記述があり、ここから逆算して導き出された結果です。

 

しかし、マタイの福音書に書かれた有名なヘロデ王の幼児虐殺エピソード(救世主の誕生を恐れたヘロデ王が2歳以下の男子を虐殺した事件)は、ヘロデ王が紀元前4年に亡くなったと考えられていることから、それ以前に起きていなければなりません。

このため現在ではイエスは紀元前7~前4年ほどの生まれではないかと考えられています。

聖誕教会のベツレヘムの星
イエスが誕生した場所に備えられている聖誕教会のベツレヘムの星

誕生日についてもさまざまな説があります。

ナザレの出身だったマリアがわざわざ身重の状態でベツレヘムに行ったのは人口調査の必要からですが、その人口調査が冬に行われていなかったこと、また放牧のため使われていない羊小屋で出産したはずですが、寒い季節に放牧は行われないことなどから、冬に生まれたのではないのではないかといわれています。

 

それではなぜ12月25日が選ばれたのでしょう?

 

この日はローマ暦やエジプト暦の冬至にあたるといわれます。

太陽がもっとも高くなる夏至や低くなる冬至は穀物の収穫と密接に関係していることから世界中で祝われていましたが、これは中東でも変わりません。

特にローマ帝国で信奉されていたミトラ教では12月25日を太陽神ミトラの誕生日と定めていたことから、これがイエスの誕生日に転用されたのではないかと考える人もいます。

なお、正教会では1月7日をクリスマスとしていますが、これはユリウス暦の12月25日がグレゴリオ暦の1月7日にあたるためで、12月25日を起源としている点には違いがありません。

 

現在、『新訳聖書』や他の記録のさまざまな記述、たとえばイエスが誕生した日にきわめて明るい星(ベツレヘムの星)が輝いていたという記述から誕生の年月日を探ろうとしたりする試みがなされています。

その結果、3月28日とか5月20日とか9月11日とか9月15日等々、さまざまな説が唱えられていますが、ハッキリしたことはわかっていません。

 

 

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