世界遺産と世界史3.地形の形成

<地球の火山活動>

■海洋島の動き

ホットスポットから海洋島群が誕生する仕組み

 

世界遺産「ハワイ火山国立公園(アメリカ)」のハレマウマウ火口
キラウエア山のハレマウマウ火口。火山は世界各地で神聖視されていますが、ハワイ島では火の神ペレのすみかとして祀られています。世界遺産「ハワイ火山国立公園(アメリカ)」構成資産

前回の記事のように、大陸のダイナミックな動きは地球内部のマグマの活動から来ています。

今回は火山活動を中心にさまざまな地形を見ていきたいと思いますが、まずは大陸と独立した海洋島を紹介します。

 

プレート・テクトニクス理論が示すプレートの移動は海洋島の動きで確認することができます。

一例が上の動画にあるアメリカのハワイ諸島です。

 

あの辺りにホット・プルーム(前回参照)が上昇してできたマグマ溜まりがあり、「ホット・スポット」を形成しています。

溜まった溶岩が噴出して海底火山が爆発し、海面を越えて溶岩が固まると島ができます。

 

島は太平洋・プレートに乗って北西、つまり日本の方向に移動していますが、地下深くのホット・スポットは動きません。

ですから島が移動した後でまた噴火することで新しい島ができあがります。

こうして生まれた島の連なりがハワイ諸島です。


ミッドウェー島は約2,000万年前、ハワイ島は約50万年前に誕生しました。

現在もホット・スポットは激しい活動を続けています。

キラウエア山やマウナ・ロア山といった活火山がその一例で、特にマウナ・ロア山は島にありながら4,169mもの標高を持ち、海の下の部分を含めると1万mを超えて世界最大の活火山となります。

 

ミッドウェー環礁群は「パパハナウモクアケア(アメリカ)」、キラウエアやマウナ・ロアの山域は「ハワイ火山国立公園(アメリカ)」として世界遺産リストに登録されています。

世界遺産「ガラパゴス諸島(エクアドル)」のガラパゴスウチワサボテン
海と溶岩とサボテン。ガラパゴスウチワサボテンは最大で高さ12mほどまで成長します。イグアナやゾウガメの好物で、もともと地面に這うように生育していましたが、食べられないよう樹木状に進化したと考えられています。世界遺産「ガラパゴス諸島(エクアドル)」構成資産

ハワイ諸島とよく似ているのがエクアドルの世界遺産「ガラパゴス諸島」です。

ガラパゴス諸島の周辺では太平洋、ココス、ナスカという3枚のプレートが接しており、プレート同士が衝突する摩擦熱で岩盤が溶かされてホット・スポットになっています。

 

ナスカプレートが南東に移動しているため島々も毎年7cmほどずつ動いており、諸島が誕生しました。

もっとも若いフェルナンディナ島やイザベラ島は誕生から5万年ほど、もっとも古い島は南端のエスパニョーラ島で500万~300万年ほど前にできました。

さらに南東の島々は海中に沈んでおり、いまの島々もやがて海に沈んで消えていくと考えられています。

 

ガラパゴス諸島はもっとも近い大陸(南米大陸)から約1,000km離れており、一度も大陸とつながったことがありません。

そのため渡り鳥やゾウガメ以外の陸上生物は到達しにくく、偶然たどり着くことができた一部の種が天敵のいない環境で多彩に進化することになりました。

こうして少ない種が多様に進化した独特の生態系が誕生しました。

 

環境に適した個体が生き残って特徴を次世代に伝えて種が分化する――

ダーウィンはここで適者生存のアイデアを着想し、自然選択説(自然淘汰説)に行き着いたといわれています。

 

隆起や海底火山によって誕生し、大陸から独立しており、海底から海面に出ている島を「海洋島(かいようとう)」といいます。

これに対し、大陸の周縁部にあって大陸棚に属する島、つまり大陸の一部といえる島は「大陸島(たいりくとう)」と呼ばれます。

海洋島は絶海の孤島に独特の生態系を持っていることが多く、先の「パパハナウモクアケア(アメリカ)」や「ガラパゴス諸島(エクアドル)」も海洋島です。

 

[関連サイト]

ガラパゴス諸島:ダーウィンが進化論を着想した楽園

世界遺産「スルツエイ(アイスランド)」
1963年、アイスランドの沖合約32kmで海底火山の噴火が起こって誕生した世界遺産「スルツエイ(アイスランド)」。上陸はいまなお厳しく制限されています

おもしろいところではアイスランドの世界遺産「スルツエイ」があります。

1963~67年の火山活動で誕生した海洋島で、陸地ができてから50年余しか経っていません。

どのように動植物が定着していくのか観察するために許可を受けた科学者以外に上陸は認められておらず、いまもなお注意深く観測が続けられています。

 

爆発が収束していない1965年には草が確認され、1967年からはさまざまな植物が観察されるようになりました。

1970年代にはカモメなどの鳥が繁殖をはじめ、鳥のフンから土が作られました。

2004年までに60種の植物、75種のコケ類、89種の鳥類、335種の無脊椎動物が確認されています。 

世界遺産「ラパ・ヌイ国立公園(チリ)」、火口湖ラノ・カウ
イースター島の火口湖ラノ・カウ。モアイがすべて倒された後の時代に聖地とされた場所で、祭祀跡や神々のレリーフが残されています。世界遺産「ラパ・ヌイ国立公園(チリ)」構成資産

絶海の孤島に独特の文化が誕生したもっとも有名な例がイースター島の「ラパ・ヌイ国立公園(チリ)」です。

もっとも近い島まで400km以上、もっとも近い大陸(南アメリカ大陸)となると4,000km近く彼方という文字通りの孤島です。

海底火山の噴火によって造られ、その名残はふたつの火山とラノ・カウと呼ばれる巨大な噴火口に見ることができます。

こんな場所に最大で高さ20m・重さ200t、900体を超えるモアイが打ち捨てられていたことから歴史ミステリーとなりました。

 

[関連サイト]

イースター島 ラパ・ヌイ国立公園/チリ

海洋島の世界遺産の例を挙げておきましょう。

なお、「小笠原諸島(日本)」のように火山ではなく隆起で生まれた海洋島(海洋性島弧といいます)もあり、「カリフォルニア湾の島々と保護地域群(メキシコ)」は海洋島と大陸島が混在しています。

 

○海洋島の世界遺産の例

  • スルツエイ島(アイスランド)
  • セント・キルダ(イギリス)
  • ゴフ島及びインアクセシブル島(イギリス)
  • ガラホナイ国立公園(スペイン)
  • テイデ国立公園(スペイン)
  • レユニオン島の火山峰、圏谷と岩壁群(フランス)
  • マデイラ諸島のラウリシルヴァ(ポルトガル)
  • 小笠原諸島(日本)
  • ハード島とマクドナルド諸島(オーストラリア)
  • ロード・ハウ諸島(オーストラリア)
  • マッコーリー島(オーストラリア)
  • 東レンネル(ソロモン諸島)
  • ニュージーランドの亜南極諸島(ニュージーランド)
  • ハワイ火山国立公園(アメリカ)
  • パパハナウモクアケア(アメリカ)
  • ココ島国立公園(コスタリカ)
  • ピトンズ・マネジメント・エリア(セントルシア)
  • モーン・トロワ・ピトンズ国立公園(ドミニカ国)
  • カリフォルニア湾の島々と保護地域群(メキシコ)
  • ガラパゴス諸島(エクアドル)
  • マルペロの動植物保護区(コロンビア)
  • ラパ・ヌイ国立公園(チリ)
  • ブラジルの大西洋諸島:フェルナンド・デ・ノローニャとロカス環礁保護区群(ブラジル)

かつて大陸だった島を「大陸断片」といいます。

大陸断片にはマダガスカル島やグリーンランド、ニューカレドニア島、タスマニア島、キューバ島、セイロン島などがあり、島が大きいので多数の世界遺産があります。

 

大陸島は大陸隣接の島の多くが含まれるのでこちらもたくさんあります。

大陸島に関する世界遺産の例を挙げると、「エオリア諸島(イタリア)」「屋久島(日本)」「済州火山島と溶岩洞窟群窟群(韓国)」「ウジュン・クロン国立公園(インドネシア)」「グヌン・ムル国立公園(マレーシア)」「フレーザー島(オーストラリア)」「コイバ国立公園とその海洋保護特別地帯(パナマ)」などがあります。

 

■大陸の火山活動

ロシアの世界遺産「カムチャツカ火山群」、アヴァチンスカヤ山
標高2,741mの美しい成層火山(同じ火口から噴火して円錐形を描く火山)で知られるアヴァチンスカヤ山。世界遺産「カムチャツカ火山群(ロシア)」構成資産
世界遺産「知床」のオオワシ
日本の世界遺産「知床」、流氷とオオワシ。大陸から流れ出した栄養豊富な淡水が凍って流氷となり、春に溶けて養分を拡散することでプランクトンからオオワシ、ヒグマに至る生物の大繁殖がはじまります

当然ながら、マグマの活動、つまり火山活動は大陸内部でも起きています。

最たるものがロシアの世界遺産「カムチャツカ火山群」です。
カムチャツカ半島はユーラシア大陸にかろうじてつながっている半島で、内部には300以上の火山があって「火山の博物館」の異名を持っています。

高さ4,887mを誇る最高峰クリュチェフスカヤ山をはじめ、火山によって形成された3,000mを超える山々によって大陸から隔絶されている環境から固有種も多く、貴重な生態系を有しています。

 

この辺りで太平洋・プレートが北アメリカ・プレートの下に沈み込んでおり、その反動で盛り上がってできた半島で、プレート同士の摩擦熱で生まれた溶岩が噴火しています。

カムチャツカ半島から北海道に延びる千島列島も同様で、沈み込みのラインに沿ってできる円弧状の島の連なり=弧状列島となっています。

世界遺産「イエローストーン国立公園(アメリカ)」、グランド・プリズマティック・スプリング
アメリカの世界遺産「イエローストーン国立公園」、グランド・プリズマティック・スプリング。虹色に変化する湖畔の色はバクテリアに由来し、中央は水温が高くてバクテリアが生息できないため青くなっています

火山活動が作った土地の極めつけがアメリカの世界遺産「イエローストーン国立公園」です。

約200万年前、130万年前、60万年前に起こった超巨大噴火によってできた土地で、氷河時代に氷河の侵食を受けてイエローストーン大渓谷をはじめとしたダイナミックな景観を生み出しました。

地下のマグマの活動はいまだ活発で、間欠泉の数は300以上、間欠泉・噴気孔・温泉・泥泉といった熱水現象は1万超と、地球上の半数以上が集中しているといわれます。

 

将来的には再噴火すると考えられていますが、もし噴火した場合、園内すべてを吹き飛ばし、地球環境を大幅に変えるほどのダメージを与えると見積もられています。

なお、イエローストーンは世界初の国立公園であると同時に、1978年に登録された世界初の世界遺産12件のひとつでもあります。

 

[関連サイト]

イエローストーン:世界初の国立公園&世界遺産第1号

タンザニアの世界遺産「ンゴロンゴロ保全地域」のシマウマ
タンザニアの世界遺産「ンゴロンゴロ保全地域」のシマウマ。背後に山が連なっているように、クレーターの周囲を外縁山が取り囲んでいるため生態系がほぼ完結しています。ただ、雨季を求めてサバンナを移動するグレイト・ミグレーションに参加する動物もいます
イタリアの「エオリア諸島」
シチリア島の北に浮かぶイタリアの「エオリア諸島」。周期的に噴火するストロンボリ式で知られるストロンボリ島や、不定期に大噴火を起こすブルカノ式のブルカノ島など、古代から火山研究の舞台でさまざまな用語を生み出しました

ユニークな火山地形ではキリマンジャロの約200km西にある世界遺産「ンゴロンゴロ保全地域(タンザニア)」があります。

200万年前の火山噴火でできた直径約16~20kmのクレーターで、高さ約600mに及ぶ外縁山に取り囲まれているため内部の動物は多くがその中で生涯を過ごします。

古くからマサイ族の暮らす土地であるために国立公園ではないのですが、オルドヴァイ峡谷やライトリ遺跡から発見された猿人や原人の化石や石器から文化的価値も認められて複合遺産になっています。 

 

[関連サイト]

ンゴロンゴロ:マサイ族が暮らすクレーター動物園

 

古くから火山研究で知られるのがイタリアの世界遺産「エオリア諸島」です。

さまざまなタイプの火山が集まっており、遅くても18世紀には専門家による火山の研究がはじまっています。

周期的に小噴火を繰り返すストロンボリ式噴火で知られるストロンボリ火山や、マグマの粘性が高くて不定期に大噴火を起こすブルカノ式噴火のブルカノ火山といった用語にもなっています。

 

噴火のタイプと世界遺産の関係としては他に、世界遺産「ハワイ火山国立公園(アメリカ)」は水のように流動性が高いマグマで、圧力が抜けるため安全であることで知られ、ハワイ式噴火と呼ばれています。

世界遺産「ポンペイ、エルコラーノ及びトッレ・アヌンツィアータの遺跡地域(イタリア)」を襲ったヴェスヴィオ山の噴火はブルカノ式噴火がさらに発達したプリニー式噴火です。

先の「イエローストーン国立公園(アメリカ)」のように地球環境を変えるほどの大噴火はウルトラ・プリニー式噴火あるいは破局噴火と呼ばれています。

 

[関連サイト]

ポンペイ:火山で滅びた幻のローマ都市遺跡/イタリア

イエローストーン:世界初の国立公園&世界遺産第1号

 

* * *

 

<地形の形成>

■地形輪廻

世界遺産「グランドキャニオン国立公園(アメリカ)」
20億年前までさかのぼる地球の歴史を封じ込めた地層が連なる世界遺産「グランドキャニオン国立公園(アメリカ)」の絶景

地形のサイクルを紹介しましょう。

 

大地がせり上がる隆起や火山によって山や丘ができるわけですが(逆に沈み込む沈降によってできることもあります)、こうした地形は川や海や氷河などに削られる「侵食」や、長年日光や風雨を浴びることで物理的に削られたり組成が変わって溶けたり剥がれたりする「風化」によって徐々に小さくなっていきます。

 

世界遺産「グランドキャニオン国立公園(アメリカ)」の成り立ちを見てみましょう。

グランドキャニオンは20億年前までさかのぼる地層が確認されていますが、 何億年もかけて積もった地層が6,000万年ほど前に隆起をはじめました。

4,000万年前ほど前からこの土地にコロラド川が流れるようになり、川は大地を侵食して深い渓谷を築きました。

隆起が早ければ川は流れを変え、隆起が遅ければ一部だけ深く削られるなどしてこれほどダイナミックな渓谷にはなっていなかったでしょう。

ちょうどよいスピードで隆起を続けたおかげで侵食が続き、現在のような大渓谷が誕生したと考えられています。

 

侵食・風化を受けて土地は削られ、深い谷を造りますが、やがて深い谷の周囲が削れ落ちて谷は広くなり、山も鋭い部分が削れて丸くなり、平坦な地形へと移り変わります。

一方、削られて細かくなった岩や石・砂といった砕屑物(さいせつぶつ)は川によって運搬されて海の底に堆積します。

堆積し、地層となった海底がまた隆起して山になり、侵食・風化を受けて谷を造り……

このような繰り返しを「地形輪廻(侵食輪廻)」といいます。

 

■岩石循環

世界遺産「フレーザー島(オーストラリア)」
全長122km・幅22kmを誇る世界最大の砂の島、世界遺産「フレーザー島(オーストラリア)」。大量の砂はオーストラリア大陸東岸に延びるグレートディヴァイディング山脈が侵食されて運ばれてきたものです
世界遺産「スイスのサルドーナ地殻変動地帯(スイス)」、チンゲルヘルナー
世界遺産「スイスのサルドーナ地殻変動地帯(スイス)」、チンゲルヘルナー連峰。断層が圧力で湾曲(褶曲)し、断裂して5,000万年前の地層の上に3億~2億年前の地層が乗り上げたグラールス衝上断層が確認できます (C) HJ.phillips94

今度は岩石に着目してみましょう。

火山などによって地中深くから運ばれてきたマグマが冷えた岩石を火成岩といいます。

火成岩が侵食・風化を受けて砕屑物となり、海に運ばれて堆積し、積もり積もると大きな荷重がかかって堆積岩になります。

堆積岩が地中深くに沈むと地熱によって温められ、組成が変わって変成岩となります。

さらに地下深くに引っ張り込まれるとやがて溶解してマグマに戻ります。

マグマが上昇することでまた火成岩に戻るわけですが、このようなサイクルを「岩石循環」といいます。

 

地球はこのように地形も岩石も生物のように生成消滅を繰り返しています。

逆にいえば、古い時代の岩石はとても見つかりにくいということでもあります。

 

ですからこうした侵食や循環のない小惑星には太陽系が誕生した頃の岩石がそのまま残されているということで、小惑星探査が行われているわけです。

 

■カルスト地形

世界遺産「チャンアン複合景観(ベトナム)」構成資産
ベトナムの世界遺産「チャンアン複合景観」、大地から突き出すタムコックのタワー・カルスト群。こうした土地が沈降して海に飲まれているのが同じベトナムの世界遺産「ハロン湾」です
世界遺産「中国南方カルスト(中国)」構成資産
中国雲南省・石林風景名勝区のカレンフェルト。石が削られて溝が穿たれ、場所によっては林のように石柱が林立しています。世界遺産「中国南方カルスト(中国)」構成資産
世界遺産「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群(トルコ)」
妖精の煙突=ペリバジャと呼ばれるカッパドキアの奇岩群。火山灰が降り積もった柔らかい凝灰岩の上に玄武岩などの硬い溶岩層が堆積した結果、下部が流されて帽子のような石柱が誕生しました。世界遺産「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群(トルコ)」構成資産
世界遺産「ヒエラポリス-パムッカレ(トルコ)」の石灰棚。
水中に溶け込んだ石灰華(トラバーチン)が堆積して形成されたパムッカレの石灰華段 (石灰棚)。世界遺産「ヒエラポリス-パムッカレ(トルコ)」構成資産

特殊な地形をいくつか紹介しましょう。

まずはカルスト地形です。

 

長い間、海に堆積したサンゴや貝殻・プランクトンといった生物の遺骸からできた石灰岩や、火山灰が堆積した凝灰岩などの溶けやすい地層からなる地形です。

水に溶けやすいため地層がさまざまに侵食されて奇岩や石灰棚・洞窟を造るのが特徴です。

スロベニアのクラス(カルスト)地方にこのような地形が多いことから名づけられており、同地には「シュコツィアン洞窟群(スロベニア)」というカルスト地形の世界遺産があります。

 

カルストで見られる地形としては、柱のような岩=ピナクル、ギザギザした溝がついたカレン、カレンが林立したカレンフェルト、塔のようなタワー・カルスト、逆に大地が陥没したドリーネ、ドリーネが発達したウバーレやポリエなどがあります。

 

地下水や河川などに侵食された石灰質の洞窟(石灰洞)を鍾乳洞といいますが、その中ではつららのように垂れ下がる鍾乳石、下から盛り上がる石筍(せきじゅん)、両者がつながった石柱が見られます。

他にもさまざまな名称があり、流れているような形で固まった流れ石、曲がりくねったあぜ石、細いつらら状のストロー、幕状のカーテン、シャンデリアを思わせる石花、プールのような石灰華段と多彩です。

 

[関連サイト]

チャンアン複合景観:ベトナム随一の絶景世界遺産

フォンニャ-ケバン国立公園/ベトナム

ハロン湾/ベトナム

カッパドキア/トルコ

ヒエラポリス - パムッカレ/トルコ

イエローストーン:世界初の国立公園&世界遺産第1号

 

■氷河地形

世界遺産「ロス・グラシアレス国立公園(アルゼンチン)」、ペリト・モレノ氷河
ペリト・モレノ氷河とアルヘンティーノ湖。毎日2mほど成長する世界最速の氷河で、湖の流れを受けて大音響とともに崩落を繰り返しています。世界遺産「ロス・グラシアレス国立公園(アルゼンチン)」構成資産
世界遺産「テ・ワヒポウナム-南西ニュージーランド(ニュージーランド)」
フィヨルドランド国立公園のミルフォード・サウンド。切り立った断崖は氷河によって削り取られてできたものです。世界遺産「テ・ワヒポウナム-南西ニュージーランド(ニュージーランド)」構成資産

地球の環境の指標といわれているのが氷河です。

北極や南極に氷床・氷河がある時代を氷河期といいますが(つまり現在も)、温暖化で4度の気温上昇があった場合、地上の氷河はすべて消え去るといわれています。

 

新生代(6,500万年前~現在)に入って南極大陸の位置が極地に移動し、寒い氷期とやや暖かい間氷期を数万年ごとに繰り返すようになったようです。

7万~1万年前まで続いた氷期(最終氷期)、陸上に大量の氷があったために海面水位が下がり、世界の多くは陸続きになりました。

一例がベーリング海峡で、アメリカのアラスカとロシアのシベリアの間が陸続きになり(ベーリング地峡)、ここを通って人類はアメリカ大陸に進出しました。

逆に1万~6,000年前ほどには氷河などの氷が溶けて海面水位が上がり、海岸線が陸地内部に進出しました(縄文海進)。

 

氷河によって様々な地形が現れました。

氷河地形としてはクレーター状に穴を穿った圏谷(けんこく)や、U字形に谷を削ったU字谷、氷河によって削られた土や石が集まって層を作るモレーンなどが知られます。

アメリカの世界遺産「ヨセミテ国立公園」やオーストラリア「タスマニア原生地域」のクレイドル・マウンテン国立公園などは氷河地形で知られます。

 

特に有名なのがノルウェーの世界遺産「西ノルウェーフィヨルド群-ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド」やニュージーランドの「テ・ワヒポウナム-南西ニュージーランド」などで見られるフィヨルドです。

フィヨルドはU字谷が沈降や海進によって海中に没したもので、海から切り立った断崖がそそり立つダイナミックな景観で知られます。

 

また、「ヘーガ・クステン/クヴァルケン群島(スウェーデン/フィンランド共通」では大地を覆っていた氷河が溶けたため、重みを失って土地が隆起するアイソスタシーという現象が確認されており、現在でも年10mmほどの早さで隆起が進んでいます。

 

■隕石地形

成立過程において、火山も隆起も侵食もまったく関係のない地形に隕石が衝突してできた「クレーター」があります。

世界3大クレーターは、南アフリカのフレーデフォート・ドーム、カナダのサドベリー・クレーター、メキシコのチクシュルーブ・クレーターです。

 

世界最大のクレーターは上の動画にあるフレーデフォート・ドームで、20億2,300万年前に直径10kmほどの小惑星が衝突して直径約380kmの巨大なクレーターを生み出しました。

こちらは「フレーデフォート・ドーム(南アフリカ)」として世界遺産リストに登録されています。

 

サドベリー・クレーターは18億5,000万年ほど前の衝突痕で、直径は200km超と考えられています。

ただ、クレーターとしてはほとんど形を留めておらず、盆地となって地質に影響を残しています。

 

チクシュルーブ・クレーターは6,500万年前の恐竜絶滅の原因と考えられているものです。

クレーター跡はカリブ海の海中とユカタン半島の地下に痕跡が見られ、クレーターに沿ってセノーテと呼ばれる陥没湖が集中しており、セノーテ・リングと呼ばれています。

こちらはメキシコの世界遺産暫定リストに掲載されています。

 

また、タジキスタンの世界遺産「タジク国立公園[パミール山脈]」のカラクル湖はクレーターの中にできた世界最大の湖とされています。

 

* * *

 

次回はいよいよ生命の誕生・先カンブリア時代に迫ります。

 


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01.建築の種類1:城と宮殿

02.建築の種類2:宗教建築

03.建築の種類3:メガリス

04.木造建築の基礎知識

05.石造建築の基礎知識

06.ギリシア建築

07.ローマ建築

08.ビザンツ/ビザンチン建築

09.ロマネスク建築

10.ゴシック建築

以下続く。

 

<世界遺産写真館>

1.文化交差路サマルカンド1

2.文化交差路サマルカンド2

3.アッパー・スヴァネティ

4.グラナダのアルハンブラ宮殿1

5.グラナダのアルハンブラ宮殿2

6.コトル

7.プレアヴィヒア寺院

8.福建の土楼1

9.福建の土楼2

10.フォンニャ=ケバン国立公園1

以下続く。

 

<世界遺産攻略法>

1.世界遺産検定攻略の理念と背景

2.世界遺産検定の概要

3.試験戦略の一般論

4.試験戦略の理念

5.世界遺産検定の受検戦略

6.試験勉強の3要素

7.世界遺産検定 最効率学習法

8.時事問題・世界史・検定講座

9.マイスター試験の概要

10.マイスター試験問1・2対策

11.マイスター試験問3対策

12.マイスター試験時間術&解答術

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