私的旅行術 準備編7:お金とカード <中編> クレジットカード

カードには以下のような種類があります。

今回はこのうちクレジットカードに焦点を絞って解説します。

なお、カードを使うことのメリットについては前回の記事も参照してください。

 

■カードの種類

  • 国際キャッシュカード
  • 海外プリペイドカード
  • デビッドカード
  • クレジットカード

 

■本記事の章立て

  • クレジットカードとは何か
  • クレジットカードのふたつの機能
  • クレジットカードのキャッシング

 

* * *

 

<クレジットカードとは何か>

 

クレジットカードは会員を信用することによって後払いができるカードです。

 

たとえばカードを提示して商品を購入すると、後日、銀行口座からお金がカード会社へ支払われます。

こうして後から支払える代わりに、信用の調査と金利が発生する仕組みになっています。

金利はブランドやカード会社・支払い回数・時期によって異なりますが、1回払いの場合は無料というケースも少なくありません。

 

こうした後払いの決済機能をグローバルに展開しているのが「国際ブランド」です。

五大国際ブランドのVISA、MasterCard、JCB、AMERICAN EXPRESS、Diners Clubがもっともよく知られていますね。

これに銀聯とDISCOVERを加えると七大国際ブランドになります。

 

このうちVISAとMasterCardが最大手で、このふたつを持っていれば辺境国に行ってもほとんど困ることがありません。

ぼくもアフリカや中南米のど田舎で利用させてもらいました。

 

ただ、両社は決済機能を提供するだけで自社ではカードを発行していません。

このため発行会社(Issuer)のカードにVISAやMasterCardのマークがついた形で提供されています。

たとえば下は楽天プレミアムカードですが、楽天が発行しているカードにVISAやMasterCard、JCBといったカード会社のマークが付いているわけです。

 

ちなみにこの楽天プレミアムカード、世界100か国700以上の空港のVIPラウンジが無料で使えるプライオリティパスのプレステージ会員の資格が得られるということで旅行者に非常に人気です。

通常、こうしたVIPラウンジは年会費と1回3,000円ほどの使用料がかかるのですが、プレステージ会員は4~5万円ほどの年会費で使用料無料となっています。

その年会費を無料にしてしまうというもので、カードの年会費1万円+税と比べて非常にお得であるのがわかります。

空港で長時間待つことも多いのですが、このプライオリティパスがあると非常に快適にすごせるというわけです。 

ちなみにこのカード、海外旅行保険については自動付帯となっています(自動付帯については「準備編10:クレジットカード付帯の海外旅行保険」参照)。

 

* * *

 

<クレジットカードのふたつの機能>

 

クレジットカードには主に2種類の機能があります。

  • ショッピング

加盟店でカードを提示し、お金を支払わずに商品やサービスを受けること

  • キャッシング

カードを使ってATMからお金を引き出すこと

 

カードを提示されたホテルやお店は加盟店手数料(3~7%といわれています)を管理会社に支払い、管理会社は発行会社や国際ブランドに手数料を払います。

お店としては現金と比べて手数料分だけ損することになりますが、サービスの一環として提供しているわけです。

 

まれに「カード払いの場合は○%の手数料がかかります」などと加盟店手数料をお客さんに課す店がありますが、日本では原則、加盟店規約違反です。

しかし、東南アジアなどでは3~5%の手数料を取るのが一般的だったりします。

 

このように店側から手数料を取り、その分利用者に還元しているわけですから、ショッピングについてはカードを使用した方が圧倒的にお得です。

日本にいた頃、ぼくは生活費の多くをカードで支払っていましたが、貯まるマイルだけで毎年アジアに無料で旅行に行けたくらいです。

逆に言えば、店側はクレジットカードの手数料分も商品価格に上乗せしているわけですから、使わなければ損になるということです。

 

今回は大テーマが「お金の持ち出し方」なので、キャッシングについて詳説します。

 

* * *

 

<クレジットカードのキャッシング>

 

銀行カードでお金を引き出すのと同じ感覚で、クレジットカードと同じマークのついているATMから現地通貨を引き出すことができます。

これをキャッシングといいますが、問題になるのは以下の5点です。

 

■キャッシングで気にすべき5項目

  • 為替レート
  • 為替事務手数料(両替手数料)
  • 金利
  • ATM手数料(現地金融機関)
  • 引き下ろし手数料(現地金融機関)

 

お金を現地通貨で引き出い、銀行口座の円で支払うわけですから両替が必要です。

そこで両替のレートと為替事務手数料が関係してくるわけです。

 

為替レートは日々更新されており、利用データが決済センターに届いた日のレートが適用されます。

為替事務手数料は国際ブランドや発行会社によって異なりますが、だいたい1.3~2.0%前後に設定されています。

1$=100円が為替レートで為替事務手数料が2.0%であれば、1$=102円が換算レートということになります。

 

そしてこれに金利が加わります。

一般的に金利は年15~20%程度で、返済まで日割りの計算になります。

年18%であれば月1.5%、1日0.05%くらいですね。

キャッシングで翌月一括払いする場合、借りてから支払日までの金利がつくことになります。

たとえば為替事務手数料2.0%、金利1.0%なら3.0%が為替レートに加算されるわけです。

 

なお、金利についてはカード会社に連絡して繰り上げ返済することで減らすことも可能です。

また、キャッシングの場合、ショッピングと違ってマイルやポイントが付かないことがほとんどです。

 

以上の3点、為替レート・為替事務手数料・金利はそれぞれの国際ブランドや発行会社がレートや手数料・金利を発表しているので、カードを作る際に調べてみるとよいでしょう。

 

 

■現地金融機関が加算する手数料について

 

残りのふたつの手数料、ATM手数料と引き下ろし手数料は、ATMが所属する金融機関が設定した手数料です。

 

ATM手数料に関して、日本でもATMでキャッシングする際には0~300円ほどかかります。

海外でも同様で、基本的にはATMを使用するたびに手数料がかかります。

 

ただ、カードによっては特に先進国で無料であることも少なくありません。

アジアや南米などの途上国・中進国ではかなり高額になることもあり、しかもATMによって本当にバラバラだったりします。

「隣のATMだと手数料が半額以下だった」なんてこともあるのですが、「その代わりレートが悪かった」なんてこともあるので複雑です。

 

ATM手数料に対する対策は以下となります。

  • カード会社によって条件が違うので事前によく調べておく
  • 手数料は現金を出す前に画面に表示されるので、複数のATMを比較する
  • 一度になるべく多くのお金を引き出して、ATMの使用回数を減らす
  • ATMを使用せず、カードで支払う
  • クレジットカード会社直属のATMを使用する

 

特に途上国の場合、金融機関によってはATM手数料以外の手数料が加わることがあります。

ここでは「引き下ろし手数料」としていますが、これについては本当にケース・バイ・ケースです。

 

たとえば東南アジアでキャッシングするとATMが独自のレートを提示してくることがあります。

そのレートはよくないので、金融機関が国際ブランドのレートにさらに手数料を加えていることになります。

たとえば現地通貨から直接日本円にするのではなく、一度ドルをかませるなどといった操作をしているともいわれます。

 

この場合、クレジットカードのキャッシングが国際キャッシュカードの引き下ろしよりレートが悪くなることがあります。

以前タイで実際に比べたのですが、以下のような結果が出たことがありました。

 

■5,000バーツの引き出しにかかった代金

  • 国際キャッシュカードによる引き出し(Cirrus):18,318円
  • MasterCardカードによるキャッシング ATM1:18,598円
  • MasterCardカードによるキャッシング ATM2:19,023円
  • 円現金両替:17,088円

 

カードやATMによるとはいえ、東南アジアではこのように円現金の両替がベターであることが多いです。

一般的にはクレジットカードの方が国際キャッシュカードよりもお得なのですが、場合によっては逆転することもあるということです。

ATMによっては画面にレートや総額が表示されるので、いくつかのATMを比べてみるとよいでしょう。

 

こうした手数料はカードを使ったショッピングでも加算されることがあります。

先述しましたが、日本では現金払いとクレジットカード払いの支払額は原則、同じです。

しかし、タイやラオスではカード払いの場合、3~5%の手数料が加算されることが少なくありません。

こうなると必ずしも「クレジットカード払いの方がお得」とは言い切れないので、ケース・バイ・ケースということになるわけです。

 

 

次回は国際キャッシュカード、海外プリペイドカード、デビッドカードについて解説したいと思います。

 

 

※以上の内容は国や会社・状況によって事情が異なることがあります

※内容を保証するものではありませんので、必ずご自分で確認してください

 


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『朝日新聞 世界の扉』記事執筆。『地球の歩き方 MOOK 世界のビーチBEST100』『ノジュール』に旅のスペシャリスト・達人として参加。『PEN』でアフリカの世界遺産執筆。『MONOQLO』世界遺産特集取材協力。『女性セブン』で日本の世界遺産を解説。エクスナレッジ『聖地建築巡礼 世界遺産から現代建築まで、73の聖地を巡る旅』、洋泉社ムック『負の世界遺産』執筆。RKBラジオ、FM TOKYOで世界遺産特集出演。その他企業・大学広報誌等。

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