世界遺産検定攻略法8.時事問題・世界史・検定講座の攻略
前回、世界遺産検定の学習の肝ともいえる最効率学習法について解説しました。
今回は、検定教材の学習では攻略できない時事問題や、世界史未履修者のための世界史攻略法、検定講座の有効性について考えてみたいと思います。
○本記事の章立て
- 時事問題攻略法
- 世界史未履修者のための世界史攻略法
- 検定講座は受講するべきか?
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■時事問題攻略法
世界遺産検定1級の配点比率は、「基礎知識25%、日本の遺産20%、世界の遺産45%、その他10%」となっています。
最後の「その他」は検定教材以外から出題される問題で、各級の配点は以下のようになっています。
○その他の配点
- 4級:2%(50問中1問)
- 3級:5%(60問中3問)
- 2級:10%(60問中6問)
- 1級:10%(90問中9問)
「その他」の問題とは、直近の世界遺産委員会に関する問題や、世界遺産が関係する最近の出来事などの時事問題です。
特に直近の世界遺産委員会に関する問題は多く、ぼくが1級を受検したときには、世界遺産委員会の開催都市、開催都市に関する時事問題、新登録物件、はじめて世界遺産を保有した国、危機遺産、計5問も出題されました。
これ以外の時事問題としては、日本の推薦物件に関する問題、世界遺産の破壊に対して国際刑事裁判所で行われた裁判に関する問題、バッファーゾーン内で建設が進むマンションに関する問題が出題されたのを覚えています。
こう書くと対策が難しいように思うかもしれませんが、とても簡単です。
なんといっても世界遺産検定や世界遺産アカデミーのホームページにほとんど資料がそろっているし、どのような出来事が起こったか知っているだけで答えられるような単純な問題が多いからです。
以下のリンクを毎週チェックしておけば、落とすことはほとんどないでしょう。
○時事問題対策に有効な世界遺産検定関連ページ
まず、「公式教材」「学習用資料」にはテキストの紹介だけでなく、各テキストをクリックすると「訂正情報」や「資料」の情報が掲載されています。
内容の正しい理解には訂正情報が欠かせませんし、資料には世界遺産委員会の最新資料なども掲載されていて非常に便利です。
これらの資料を何度か読んでおけば、世界遺産委員会についての問題にはほとんど答えられるはずです。
「研究員ブログ」では、世界遺産に関する最新で重要な問題について比較的自由に論じています。
いまどこでどんな問題が起こっているのか知ることのできるとても貴重な内容で、時事問題対策のみならず、マイスター試験の対策としても非常に有効な資料です(だからといって必ずしも研究員の意見に同意する必要はありません)。
ここに出てくる問題はその後話題に上らなくなっても継続していることが多いので、できれば過去記事もすべて目を通しておきたいところです。
世界遺産で起こった出来事については「マイスターの世界遺産ニュース」が役に立ちます。
外部記事にリンクしているだけの内容ですが、世界遺産関連ニュースのまとめとしては非常に役立ちます。
こちらも最低1年、できれば2~3年分は読んでおきましょう。
分量は非常に多いですが、出来事を知っているだけでいいので覚える必要はありません。
軽く読み飛ばす程度で十分です。
それでも量が多すぎると感じたら、イベント関連や世界遺産の紹介記事、無形文化遺産や世界の記憶といった世界遺産以外の記事を飛ばしてもよいでしょう。
この3つを毎週チェックして、検定前に読み返せば、時事問題はほぼパーフェクトに得点できると思います。
それで足りない人は本サイトの「World Heritage 1:世界遺産最新情報/世界遺産ニュース」もチェックしてみてください。
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■世界史未履修者のための世界史攻略法
1級の検定教材には千件以上の世界遺産が登場しますが、その大半は海外の文化遺産です。
海外の文化遺産をある程度のレベルで理解したいと思ったら、どうしても高校世界史程度の知識が必要になってきます。
日本の歴史や地理・生物の基礎は一応、中学校の社会や理科で習います。
でも世界史についてはほとんど勉強しませんから、高校で世界史を履修していない人はほとんど未知の内容を学ぶことになるわけです。
そうした世界史未履修者にとって世界遺産検定、特に1級と2級はかなりキツいのではないでしょうか?
たとえばローマ帝国やフランク王国、フランス革命、ナポレオンなどを知らない人がフランスの世界遺産「パリのセーヌ河岸」を学んでどれだけ理解できるでしょうか?
もっとも1級攻略について、前回までに紹介した受検戦略はそれでも十分通用します。
だからあえて触れませんでした。
しかし、世界遺産理解という観点から少しフォローが必要だと感じました。
そんな人はぜひ、高校世界史のもっとも基礎的な参考書を取り寄せて、何度か読んでみてください。
参考書を選ぶポイントは、固有名詞はなるべく少なくてよいので、物語として読みやすくおもしろいものを選ぶということ。
単語を覚えることが目的ではなく、全体の流れ・物語を理解するために読むからです(この辺りは「世界遺産検定攻略法6.試験勉強の3要素」の理解学習の項目も参考にしてみてください)。
そういう意味で、教科書はちょっと細かすぎますし、登場する固有名詞が多すぎます。
やる気満々で十分な時間のある人は本サイトの以下のページもぜひ読んでみてください。
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■検定講座は受講するべきか?
世界遺産検定の公式サイトではwebで視聴できる学習アシスト動画などを無料で公開しています。
まずはこれらをチェックしてみてください。
- 公式学習動画(世界遺産検定)
有料講座について、ぼくはいっさい使っていないので内容の善し悪しはわかりません。
ただ、検定教材しか勉強していないぼくが1~3級のいずれでも満点近い得点を取っている事実から、出題は各級の検定教材と時事問題からに限られていると思われます。
非常に誠実ですね(当たり前ではありますが)。
ですから通信講座の教材にだけ載っている内容が出題されるとか、通信講座の教材の内容が検定教材より少なくてそこからのみ出題されるとか、そういった有利不利はないでしょう。
とすると、こうした通信講座のメリットは、出題されやすいところを集中的に勉強できるとか、理解しやすい教え方をしてくれるとか、写真が多くて教材が見やすい、顧客に対するフォローがある等々になってくるのかなと思います。
この辺りを調べて選んでみたらよいでしょう。
ただ、どんな教材を使おうと、これまで紹介してきたように受検戦略を立て、学習プランに基づいて学習しなければならない事実に変わりはありません。
学習の負担自体はどんな教材を使っても変わらないだろうとは思います。
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以上で世界遺産検定1~4級に対する攻略法は終了です。
次回からマイスター試験の攻略に移ります。
[関連サイト]
世界遺産検定(公式サイト)