世界遺産検定攻略法2.世界遺産検定の概要
彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず――(『孫子』より)
相手を知らなければ戦略を立てることができません。
前回の理念を念頭に、攻略法第2回では世界遺産検定の概要を紹介します。
なお、検定に関する最新かつ正確な情報は最後にリンクした世界遺産検定の公式サイトでご確認ください。
○本記事の章立て
- 世界遺産検定の概要
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■世界遺産検定の概要
■世界遺産検定の実施日程
世界遺産検定の試験には、指定会場でマークシートを使って受検する「公開会場試験」と、試験期間内の日時に全国約280か所のテストセンターでPCを使って受検する「CBT」の2種類があります。
試験は公開会場試験とCBT、合わせて年4回ほど開催されており、全国各地の主要都市で受検することができます。
ただし、1級とマイスターについては試験日と会場が少なく、マイスターについてはCBTも実施されていません。
また、CBTでは併願ができません。
日程の詳細は以下を参照してください。
- 年間日程、時間、受検料(世界遺産検定公式サイト)
■各級の概要
※公式テキストと公式過去問集についてはそれぞれ最新版をご確認ください
○4級
受検資格:制限なし
受検料:3,800円、4,600円(CBT)、3級&4級併願8,800円
出題概要:マークシート、50問50分
認定基準:100点満点中60点以上(認定基準は調整の可能性あり)
認定率:8割以上。2022年は82.4%
出題範囲:教材から9割出題。日本の全遺産+世界の代表的な遺産32件
配点比率:基礎知識13問、日本の遺産23問、世界の遺産13問、その他1問
公式テキスト:はじめて学ぶ世界遺産50<第4版>
公式過去問集:世界遺産検定公式過去問題集3・4級<2024年度版>
○3級
受検資格:制限なし
受検料:5,400円、6,200円(CBT)、2級&3級併願11,000円、3級&4級併願8,800 円
出題概要:マークシート、60問50分
認定基準:100点満点中60点以上(認定基準は調整の可能性あり)
認定率:7~8割程度。2022年は71.2%
出題範囲:教材から9割出題。日本の全遺産+世界の代表的な遺産100件
配点比率:基礎知識25%、日本の遺産30%、自然遺産10%、文化遺産30%、その他5%
公式テキスト:きほんを学ぶ世界遺産100<第4版>
公式過去問集:世界遺産検定公式過去問題集3・4級<2024年度版>
○2級
受検資格:制限なし
受検料:6,500円、7,300円(CBT)、2級&3級併願11,000円
出題概要:マークシート、60問60分
認定基準:100点満点中60点以上(認定基準は調整の可能性あり)
認定率:4~5割程度。2022年は57.4%
出題範囲:教材から8割出題。日本の全遺産+世界の代表的な遺産300件
配点比率:基礎知識20%、日本の遺産25%、自然遺産10%、文化遺産35%、その他10%
公式テキスト:くわしく学ぶ世界遺産300<第5版>
公式過去問集:世界遺産検定公式過去問題集 1・2級 2024年度版
○準1級
受検資格:2級認定者
受検料:7,600円、8,500円(CBT)
出題概要:マークシート、60問60分
認定基準:100点満点中60点以上(認定基準は調整の可能性あり)
認定率:未定
出題範囲:教材から8割出題。世界遺産700件
配点比率:基礎知識15%、日本の遺産25%、世界の遺産50%、その他10%
公式テキスト:ふみこんで学ぶ世界遺産700<第1版>
○1級
受検資格:2級認定者
受検料:10,900円、11,800円(CBT)、リスタ※:5,000円、リスタCBT:5,700円
出題概要:マークシート、90問90分
認定基準:200点満点中140点以上(認定率20%以下の場合は調整)
認定率:2~3割程度。2022年は30.0%
出題範囲:教材から8割出題。世界遺産全件
配点比率:基礎知識25%、日本の遺産20%、世界の遺産45%、その他10%
公式テキスト:すべてがわかる世界遺産1500 上巻・中巻・下巻
公式過去問集:世界遺産検定公式過去問題集 1・2級 2024年度版
※1級認定者は知識を確認するリスタ(Re-study)制度あり
※最高得点者は「1級最優秀賞」、185点以上の得点者は文部科学大臣賞を授与
○マイスター
受検資格:1級認定者
受検料:20,400円
出題概要:論述筆記、大問3題120分(問1は小問3題で構成、問2~3は1問のみ)
認定基準:20点満点中12点以上、かつ問1~2で6点以上、問3で6点以上
認定率:3~5割。2022年は48.3%
出題範囲:世界遺産全件。分野を横断する総合的な出題
※市販教材はないが以下に学習方法等の情報あり
・【マイスター】概要と例題・対策(世界遺産検定公式サイト)
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簡単に解説しましょう。
1級と準1級を受検するためには2級、マイスターを受検するためには1級の認定が必要ですが、他の級に関しては受検資格は問われません。
つまり、3級や4級の認定がなくても2級を受検することができますし、準1級の認定がなくても1級やマイスターを受検することができます。
1~4級は4つの選択肢の中から正解を選ぶマークシート方式の四者択一問題です。
そして問題の8割以上が検定教材(公式テキスト)から出題されますが、教材にない時事的な問題も1問~10%ほど出されます。
ただし、マイスターのみ筆記試験で論述形式となっています。
3~4級の認定率は7~8割以上、2級とマイスターはだいたい4~5割が認定されています。
これらに比べて1級の認定率は極端に低く、受検者の2割程度、つまり5人に1人ほどしか認定されていません。
世界遺産検定では1級の難易度が突出して高いと言えるでしょう。
次回は勉強内容を決める際のベースとなる試験戦略について解説します。
[関連サイト]
世界遺産検定(公式サイト)