私的旅行術 準備編8:お金とカード <後編> 国際キャッシュカード他
今回は国際キャッシュカード、海外プリペイドカード、デビットカードを取り上げます。
おおよその概要は以下となっています。
- 国際キャッシュカード
普通の銀行カードと同じだが、海外での使用に対応したカード
- 海外プリペイドカード
あらかじめチャージしておいたお金が引き出せるカード
- デビットカード
クレジットカードのショッピング機能を加えたプリペイドカード
クレジットカードを作れない方、作りたくない方にはぜひ上記の作成をオススメします。
多くは会費も維持費もいりませんから、現金引き出し専用カードとして作ってみてもよいかもしれません。
○本記事の章立て
- 国際キャッシュカード等のメリット&デメリット
- PLUS、Cirrus、デビットカードについて
- 国際キャッシュカード等の手数料
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■国際キャッシュカード等のメリット&デメリット
国際キャッシュカード、海外プリペイドカード、デビットカードといったカードは現金に対して以下のようなメリットとデメリットを有しています。
○上記カード類のメリット
- 大量の現金を持ち運ぶ必要がない
- ATMで現地通貨が気軽に引き出せる
- 紛失・盗難の際に利用停止でき、補償される可能性がある
- 紛失・盗難の際に口座残高やチャージ額以上の損害を受けることがない
- デビットカードの場合、現金なしでショッピングができる
○上記カード類のデメリット
- ATMがないと使えない(デビットカードのショッピングを除く)
- ATM手数料や為替事務手数料等、各種手数料がかかる
- 緊急や少額の支払時に対応しにくい
- スキミング・不正請求等の犯罪被害の可能性がある
クレジットカードとの最大の違いは、後払いではないという点です。
使用する際に銀行口座やチャージ額を確認するので、以下のような特徴を持つことになります。
- 審査が不要
- 金利がかからない
審査がいらないので学生や会社を辞めて旅立つ人などにも利用しやすいわけですね。
クレジットカードを持っていない人はぜひカードを作成をオススメします。
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■PLUS、Cirrus、デビットカードについて
国際キャッシュカード、海外プリペイドカード、デビットカードといったカードの発行会社が自ら世界的な決済システムを組み上げているわけではありません。
クレジットカードの国際ブランドのシステムを使うのが一般的です。
VISAの国際決済システムがPLUS(プラス)で、MasterCardがCirrus(シーラス)です。
国際キャッシュカードや海外プリペイドカードにはPLUSかCirrusのマークが入っており、同じマークのあるATMで現地通貨を引き出すことができます。
デビットカードはプリペイドカードにショッピング機能を付け足したものです。
ショッピング機能とは、カードを提示してサインすることで支払いができるもので、こちらはVISAやMasterCardのマークが付いています。
デビットカードの使い勝手はクレジットカードとほとんど変わらず、同じマークのある加盟店でショッピングしたり、ATMで現金の引き下ろしが可能です。
ただ、クレジットカードと違って即時決済がほとんどで、後払いにはなりません。
そのため金利が付かない代わりに、入金・チャージ額以上の利用はできません。
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■国際キャッシュカード、デビットカード等の手数料
国際キャッシュカード、海外プリペイドカード、デビットカードで現地通貨を引き出す際に問題になるのは以下の項目です。
新しくカードを作る際には換算レートと出金手数料が少ないものを選ぶとよいでしょう。
○出金で気にすべき4項目
- 換算レート
- 出金手数料
- ATM手数料(現地金融機関)
- 引き下ろし手数料(現地金融機関)
これらのカードはいずれもVISAやMasterCardの決済システムを使っているため、各社に手数料を支払っています。
そのためぼくたちが利用する際もこうした手数料が加算されることになります。
一般的にVISAやMasterCardのレートに3~5%を足した換算レートが使用され、クレジットカードの金利よりも高くなっています。
したがって通常、これらのカードで現地通貨を下ろすよりも、クレジットカードでキャッシングした方がお得ということになります(例外はあります)。
ただ、最近はマネパカードやSony Bank WALLETのように手数料がとても安く設定されていたり、さまざまな通貨でチャージできたり、FX口座の外貨を移動できるカードも登場しています。
「円高のときにドルやユーロをチャージしておく」なんていう使い方も可能なので、ちょっとした資産管理にもなりそうです。
クレジットカードのキャッシングではマイルやポイントは貯まりませんから、キャッシングはこうしたカードを専門に使うというのも手ですね。
出金手数料は出金の際に毎回かかる手数料で、新生銀行のように無料のところから200円程度を取るものまでさまざまです。
ATM手数料はATMを設置した現地の金融機関が課すもので、ATMや金融機関によって異なります。
特に途上国では高くて200~500円になることもあります。
「出国前に1,000円分の現地通貨を引き出したら手数料が500円かかった」なんてこともあるので注意が必要です。
こうした出金手数料やATM手数料は以下のような方法で抑えることができます。
- ATM手数料は現金を出す前に画面に表示されるので、複数のATMを比較する
- 一度になるべく多くのお金を引き出して、ATMの使用回数を減らす
クレジットカードの記事でも書きましたが、カードや金融機関・引き出す国などによってはさらに手数料が加わります。
ここでは「引き下ろし手数料」としています。
これは本当にケース・バイ・ケースで、ぼくもよく理解できていません。
レートを見て判断するしかありませんね。
なお、国際キャッシュカード等の海外での利用開始には届けが必要である場合があります。
たとえば新生銀行では海外ATM出金限度額の上限を定める必要があったりします。
海外ではじめて使う前に必ず確認しておきましょう。
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次回は海外旅行保険について解説します。
※以上の内容は国や会社・状況によって事情が異なることがあります
※内容を保証するものではありませんので、必ずご自分で確認してください